
G-Sync/FreeSyncとは
G-SyncとFreeSyncは、GPUが映像を出力するタイミングに合わせてモニターのリフレッシュレートを動的に変化させる「可変リフレッシュレート(VRR: Variable Refresh Rate)」技術です。GPUのフレームレートとモニターのリフレッシュレートが一致しないと、画面が上下で水平にずれる「ティアリング」や、同じフレームが繰り返し表示される「スタッター」が発生します。VRRはこの不一致を解消し、なめらかで破綻のない映像表示を実現します。
G-SyncはNVIDIAが、FreeSyncはAMDが開発した技術ですが、2026年時点のゲーミングモニターはほぼすべてが両方に対応しています。NVIDIA GPUユーザーでもFreeSync対応モニターをG-Sync Compatible認定で使えるため、GPU側のメーカーにかかわらずVRRの恩恵を受けられます。
VRR規格の種類と違い
FreeSync(基本規格)

AMD GPUとの組み合わせでVRRが動作する基本規格です。対応モニターのVRR範囲内(一般的に48Hz〜最大リフレッシュレート)でリフレッシュレートがGPU出力に追従します。VESA Adaptive-Syncをベースにしているため、特別なハードウェアモジュールは不要で、モニターのコストに影響しません。低価格帯のゲーミングモニターでも対応している機種が多いです。
FreeSync Premium / Premium Pro
FreeSync Premiumは、LFC(Low Framerate Compensation)の対応が必須条件です。LFCはフレームレートがVRR範囲の下限(例: 48Hz)を下回った場合に、フレームを自動的に複製して表示することで疑似的にVRRを維持する技術です。重いゲームでfpsが大きく落ち込んでもカクつきを抑えられます。FreeSync Premium ProはさらにHDR環境でのVRR安定動作とDCI-P3 90%以上の色域を保証する上位規格で、BenQ MOBIUZ EX270QMなどが対応しています。
G-Sync Compatible
NVIDIAがFreeSync対応モニターをテストし、NVIDIA GPU環境でのVRR動作品質を認定する互換規格です。NVIDIAコントロールパネルから「G-SYNC互換性を有効化」にチェックを入れるだけで使えます。2026年時点の主要ゲーミングモニターのほとんどがG-Sync Compatible認定を取得しており、実質的にGPUメーカーを問わないVRR対応が実現しています。ASUS TUF Gaming VG259QMやLG 27GP850-Bなど対応モデルは多数です。
G-Sync Ultimate(専用モジュール搭載)
NVIDIA独自のVRRプロセッサモジュールをモニター基板に直接搭載する最上位規格です。VRR範囲が1Hz〜最大リフレッシュレートまで広がり、HDR環境での可変バックライト制御にも対応します。ASUS ROG Swift PG27AQNが対応モデルの一つです。ただしモジュールのコストがモニター価格に上乗せされるため、G-Sync Compatible対応機と比べて2〜3万円高くなります。2026年時点ではCompatible認定でも十分な品質が得られるため、追加コストの正当化は難しくなっています。
VRRの設定方法と最適な構成
VRRを有効にするにはDisplayPort接続が推奨されます。DisplayPort 1.2a以降がAdaptive-Sync(VRR)に対応しており、WQHD 240Hzまでの環境ならDisplayPort 1.4で十分です。HDMI接続でもHDMI 2.1のVRRに対応したモニターなら動作しますが、HDMI 2.0以前ではVRR非対応のケースがあるため注意してください。
NVIDIA GPU環境での最適設定は、NVIDIAコントロールパネルで「G-SYNC互換性を有効化」にチェックを入れ、ゲーム内のV-Sync(垂直同期)をオフにした上で、NVIDIAコントロールパネルの「最大フレームレート」をモニターのリフレッシュレートより3fps低い値に設定する構成です。たとえば240Hzモニターなら237fpsに制限します。これによりフレームレートがリフレッシュレートを超えることがなくなり、VRR範囲内でのスムーズな同期が維持されます。
AMD GPU環境ではRadeon Softwareの「AMD FreeSync」をオンにし、同様にフレームリミッターをリフレッシュレートの-3fpsに設定するのが推奨です。AMD Radeon Anti-Lagを併用すると入力遅延もさらに低減できます。
VRRが正常に動作しているかの確認には、NVIDIAコントロールパネルの「G-SYNCインジケータ」を有効にするとオーバーレイが表示されます。また、ゲーム内のfps表示がモニターのリフレッシュレート以下で変動しているにもかかわらずティアリングが発生しなければ、VRRが正しく機能しています。
PS5はHDMI Forum VRRとFreeSync Premiumに対応しています。PS5の「設定 → スクリーンとビデオ → 映像出力 → VRR」をオンにし、モニター側のVRR設定も有効にしてください。G-Sync CompatibleモニターでもHDMI 2.1経由でVRRが動作する機種が多いですが、すべての機種で保証されているわけではないため、モニターの仕様表でHDMI VRR対応を確認してください。
VRR範囲とLFCの重要性
VRR範囲はモニターごとに異なり、スペック表に「48-240Hz」のように記載されます。この範囲内のフレームレートであればVRRが有効に動作しますが、範囲外に落ちるとVRRが無効になりティアリングやスタッターが再発します。VRR範囲の下限が低いほど、重いシーンでfpsが落ち込んだ際にもVRRの恩恵を維持できます。
LFC(Low Framerate Compensation)は、フレームレートがVRR範囲の下限を下回った場合にフレームを2回以上表示することで、モニターのリフレッシュレートをVRR範囲内に保つ技術です。VRR範囲48-240Hzのモニターで30fpsまで落ちた場合、LFCが60Hz(30fps x 2)で動作してスムーズな表示を維持します。LFC非対応モニターでは30fpsに落ちた瞬間にVRRが切れてカクつきが発生するため、重量級ゲームをプレイするならLFC対応は必須と考えてください。
G-Sync Ultimateモジュール搭載機はVRR範囲が1Hz〜最大値と極めて広いため、LFCなしでも低fps時のVRR切れが発生しません。ただしG-Sync Compatibleモニターでも実用上はLFC対応であれば十分にカバーでき、モジュール搭載機との体感差は小さいです。
VRR技術は入力遅延を増加させません。V-Sync(垂直同期)はフレームレートがリフレッシュレートを超えないよう制限する過程で最大1フレーム分(約4〜16ms)の入力遅延を追加しますが、VRRではモニター側がGPU出力に合わせるため追加遅延がほぼゼロです。NVIDIA Reflex(入力遅延低減技術)と併用すればさらに遅延を削減でき、FPS競技で体感できるレベルの操作レスポンス改善が得られます。
よくある質問
G-SyncとFreeSyncは同じものですか?
仕組みは同じ可変リフレッシュレート技術ですが、G-SyncはNVIDIA GPU向け、FreeSyncはAMD GPU向けに開発されています。G-Sync Compatible認定モニターならNVIDIA GPUでもFreeSync対応モニターでVRRが使えるため、2026年時点ではGPUメーカーを意識する必要はほぼなくなっています。
VRRを有効にするとフレームレートは上がりますか?
VRR自体にフレームレートを向上させる効果はありません。GPUの出力フレームレートにモニターのリフレッシュレートを同期させてティアリングとスタッターを防ぐ技術です。フレームレートを上げるにはGPU自体の性能向上やゲーム設定の最適化が必要です。NVIDIA ReflexやAMD Anti-Lagは入力遅延の低減技術で、これもフレームレートとは別の改善です。
PS5でG-Sync/FreeSyncは使えますか?
PS5はHDMI Forum VRRとFreeSync Premiumに対応しています。HDMI 2.1対応モニターでVRR設定を有効にし、PS5側の「VRR」設定をオンにすれば動作します。G-Sync CompatibleモニターでもHDMI 2.1経由でVRRが動作する機種が多いですが、モニターの仕様表でHDMI VRR対応を明記している機種を選ぶのが確実です。
VRR範囲の下限が高いと何が問題ですか?
VRR範囲が例えば「60-240Hz」のモニターでは、フレームレートが60fpsを下回るとVRRが無効になりティアリングやスタッターが発生します。LFC対応であれば低fps時でもフレーム複製で対処できますが、LFC非対応で下限が高いモニターは重量級ゲームで不利です。購入前にVRR範囲とLFC対応の有無を確認してください。
G-Sync UltimateとG-Sync Compatibleの実用的な差は大きいですか?
Ultimate搭載機はVRR範囲が1Hz〜と極端に広く、HDR環境での可変バックライト制御にも対応しますが、Compatible認定機でもLFC対応であれば実用上の差は小さいです。Ultimateモジュールの分だけモニター価格が2〜3万円高くなるため、コストパフォーマンスではCompatible認定機が有利です。
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VRRと密接に関連するリフレッシュレートの基礎知識はwhat-is-refresh-rateで解説しています。VRR機能を活かしたモニターの選び方はモニターの選び方ガイドのVRRの章が参考になります。パネル技術ごとのVRR対応状況や応答速度の傾向はmonitor-panel-typesで体系的に比較できます。
VRR対応の最新モニター比較はbest-fps-gaming-monitorやbest-oled-gaming-monitorで確認できます。PS5でのVRR活用方法はbest-monitor-for-ps5やmonitor-for-console-erabikataで詳しく解説しています。
本文中の関連確認: モニターの選び方ガイド